東住吉区・今川緑道

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■スポット解説

 大阪の、特に小さな川は汚い。ほとんどドブ川といってよく、「悲しい色やね」を通り越して「嘆かわしい色やね」といいたくなる。

 その点では、今から紹介する今川もたいした川ではない。ずっと昔は(江戸時代以前だが)狭山池から流れる、それほど小さくない川だったそうだが、新大和川の付け替えでその流れも途絶え、生活排水路になってしまった。しかし、そのほとりに整備された緑道は、ちょっとしたものである。

 北は東住吉区桑津から、南は同区中野まで、約3キロほど続く緑道は、特に桜の季節が素晴らしい。両岸に植えられた桜が、4月のはじめには美しい花を咲かせ、まさに桜のトンネルを作っている。また、その季節の土日には、バーベキューセットやカラオケを持ち出して、ひとしきり宴会の花を咲かせる人々がいっぱいで、そんな周囲の浮かれた雰囲気に、見ているこちらまでウキウキした気分にさせられるのだ。

 静かに散策したいという人には、5〜6月頃がおすすめである。初夏は可愛い花々がさんぽ者を迎えてくれるだろう。木立の陰に入れば、涼しさもひときわだ。途中、桑津側から500メートルほど行った所には、お酒のディスカウンターがあるので、缶ビールでも買い込んで飲みながら歩くのもいいだろう(もちろん、空き缶は専用クズ入れか、家まで持って帰るのが当然だ)。

 このような都市型の緑道は、歩く以外の他の交通手段にもめぐまれているのも便利である。今川緑道の場合、幹線の今里筋、それに近鉄南大阪線とほぼ平行に走っているので、歩きに疲れた場合は、すぐバスに乗れるし、近鉄の北田辺駅・今川駅から電車に乗ったり、駅前の商店街の喫茶店で休憩するのもいいだろう。

 とりあえずは、春の桜を見に行って欲しい。大阪市内で桜と言えば、大阪城の西の丸公園が有名だが、あそこは有料である。ましては吉野は結構遠い。大阪市民も案外、気づいていないだろうが、地元でもこれだけの花見スポットがあることに、驚かれるかもしれない。



■地図とおすすめコース


●うるし堤公園

ズバリ、春の季節にお花見をするなら、ここが最高。でも、地元の人たちや町内会の人が、宴会場所をしっかり確保しているから、あしからずご了承を(それは地元特権でしょう)。とにかく桜の木が豊富で美しい。しかも児童公園の要素もふんだんで、子ども連れでも楽しい場所です。

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●白鷺公園

実は、ここで紹介しているコースからは、ちょっとはずれています。でも、公園の大きさといい、木々の茂り具合といいい、実に素晴らしい公園なのです。ぜひ、足を伸ばしてみられることをおすすめします。

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●北田辺駅前周辺

ここには私がよくいく商店街があります。マンダイ百貨店、コスモス、味道館など食品関係のスーパーが豊富なのはもとより、地場の商店街ならではの安くて気前のいいお店が多い地区です。詳しくはお教えしたくありませんが、コーヒーのおいしい喫茶店もあります。日曜は休業の所が多いので、注意。

 

   
(C) 1997 Takashi Tanei, office MAY