解説と注釈
オリバ・ハトオさんの2月12日の訳詞。 以下はオリバさんのコメント。
原詩のように韻を踏んだつもりです。
「脳外科医」の語はあえて使わず、「メス」と「脳」で暗示しました。
2連目は「ち」の音を多用して、畳み掛けるようにしたつもりです。 ヴェトナム戦争の最中のあの頃「ナパーム」の語を使用したことは勇気あることだったで
しょう。時代と切り結ぶ精神を引き継ぎながらこの言葉を今使うなら、動燃の事故やサリン事件が思い浮かびます。
「臨界」や「ズタズタのDNA」なんて言葉が浮かびましたが、 メロディーに乗らないのでボツ。
今の恐怖は目に見えないものに対するものなのかなと、 「見えぬナパーム弾」としてみました。これで環境汚染を連想してもかまいません。
2連目の訳には賛否両論あるかもしれません。21世紀に入った(との説もある)今 この歌を歌えばどうなるかなと、最後の行、はじめは『今じゃ…』としたのですが、
それじゃ昔は良かったのかというとそうでもないんじゃないかなと考え直し、『今も…』 としました。
たぶんピート・シンフィールドがこの詞を書いた当時、21世紀は暗く、 そして遠いものとイメージされていたと思います。ですから『今じゃ』とした方が
原詩に正しく応えていると思われます。
しかし、70年代とは違い、何でも政治家のせ いにして民衆は無垢のままってわけにはいかないでしょうし、未来が暗いというのなら 人間の愚かさは昔も今もそんなに変わっちゃいないさ、というのが今の時代を生きる人
々のスタンスじゃないかな。
こんな考えを2連目に込めました。ですからおそらくピー トの(気安く呼び捨てにしてしまった)思想とはまったく反対のものになってます。
|